皆さんの日常生活の中で、突然目の前の人が倒れたらどのような行動をとりますか?
この事例集では、そのような場面に遭遇した方の勇気ある行動で尊い命が救われ、社会復帰をされた救急事例をご紹介します。

救急事例

事例1

発生日時

平成26年5月 午後8時頃

発生状況

50代男性。
テニス中に突然の胸痛を訴え、うなり声をあげた後、卒倒し心肺停止となった。

応急手当の概要・経過

複数のテニス仲間が目撃後、すぐに意識状態等を確認すると、反応が無く、普段どおりの呼吸が無かったためすぐに胸骨圧迫(心臓マッサージ)を開始し119番通報を実施。また、近くの施設にAED(自動体外式除細動器)を取りに行き、心肺停止から約9分後に電気ショックを1回行いました。

この後も救急隊が到着するまで心肺蘇生法を継続し、救急隊が到着後まもなく(心肺停止から20分後)呼吸と心拍が再開しました。

この男性は、病院に搬送され治療を受け退院し、現在は通常の生活を送っています。

事例2

発生日時

令和4年11月 午前10時頃

発生状況

60代男性。
公園内でウォーキングをしていたところ、突然倒れ、心肺停止となった。

応急手当の概要・経過

傷病者が突然大きな声をあげてうつ伏せで倒れたため、近くにいた親子が声をかけたところ反応がなかったことから、周囲の公園利用者に助けを求めました。

駆け付けた公園利用者の1人が119番通報するとともに、もう1人が意識・呼吸を確認したところ、傷病者は意識がなく、呼吸が断続的であったことから死線期呼吸であると判断し、すぐに胸骨圧迫を開始しました。
また、他の公園利用者が連携して公園の事務所に連絡しAEDを持ってくるよう依頼した後、1番近くの駐車場まで救急車を案内しました。

救急隊到着時も公園利用者により胸骨圧迫が実施されており、傷病者は心肺停止の状態であったため、救急隊のAEDを装着して除細動を実施したところ、心拍・呼吸の再開を確認し、処置中には会話もできるまで回復しました。

その後、傷病者はドクターヘリにより病院へ搬送され、治療を受けた後に無事退院し、現在は倒れる前と変わらない日常生活を送っています。

事例3

発生日時

令和5年1月 午後8時頃

発生状況

50代男性。
歩道を歩行中に突然倒れ、心肺停止となった。

応急手当の概要・経過

うつぶせで倒れている傷病者を通りかかった男性が発見し、意識・呼吸がないことを確認したためすぐに胸骨圧迫を開始しました。
また、その様子を見ていた複数の通行人がそれぞれ119番通報、AEDの手配を実施し、AED到着後、すぐに除細動を実施し胸骨圧迫を再開したところ、傷病者が体を動かしたため、胸骨圧迫を中断すると、呼吸が回復しており、徐々に意識も回復してきました。
その後、救急車が到着するまでの間に毛布を使用して傷病者の保温を行うとともに、救急車の誘導を実施し、救急隊が傷病者と接触した時には、心拍・呼吸が再開し、意識も回復していました。

この男性は病院に搬送後、一時的に入院して治療を受けましたが、現在は退院し、倒れる前と変わらない日常生活を送っています。


この他にも、皆さんの応急手当で尊い命が救われた事例が報告されています。

「救命のリレー」の第1走者は、あなたです。
そして「完全なる社会復帰」の鍵を握っているのも、あなたの応急手当です。